マヌーバー入


 今回はマヌーバーと呼ばれる飛行技術の特集です。一般的にマヌーバーと聞くと上級者のテクニック、危険なテクニックという印象を持っているパイロットもたくさんいることでしょう。以降マヌーバーとは何か、どんな意味があるのか、どのように練習をすれば良いのかなど、皆さんが持っている疑問に答えられるよう話しを進めていきます。
マヌーバー(MANEUVER)とは何か?

 一般的にマヌーバーとは、巧みに操るとか動かすなどの意味を持っています。航空界では、操縦し決められた動きをすることと理解してよいでしょう。また名詞形の[MANEUVERABILLTY]は、航空機の操縦性や機動性などの優劣を語る時には欠かせない単語です。パラグライダー界でのマヌーバーは、ストール系の技術やピッチング・ローリングなどを含んだ、どちらかと言えば「キケン」な匂いのする技術だと解釈されがちです。ここでマヌーバーをカテゴリー別に分類してみましょう。

 @低速飛行からの回復
 Aローリング・ピッチング
 B左右対称の潰し
 C左右非対称の潰し
 Dストールを伴う翼の変形


マヌーバー練習の必要性

 マヌーバー練習に対して、敢えて危険な練習を行うべきではないという考え方と、実際に起こるアクシデントに対処シュミレーションとして行うべきだという2つの考え方があります。ほかの航空機を例にすると、セスナの飛行訓練では最低速度での飛行・ストールからの回復・パワーのカットオフなど遭遇するであろう状況に対して必ずシュミレーションが行われています。しかし航空機メーカーの努力により、近年の安定性の向上は目覚しく、最新の機体ではマヌーバーの訓練が不必要と思われるほどです。
 それでは、パラグライダー界の状況はどうでしょうか? 航空機と同様に新型機の安定性が素晴らしく向上していることは皆さんのご存じの通りです。初中級機であればパイロットの操作ミスを、パイロットが知らないうちにカバーしてくれる性能を持ち合わせています。しかし[潰れ]というパラグライダーの特性がなくなるわけではありません。ある段階で、備えのための練習:マヌーバー練習の必要性があるのです。


どこで・いつ行うのか

 基本的には十分な知識のある教員の指導下で行わなければいけません。場所については最悪の状況を想定するなら湖上でボートなどのレスキュー体制が整った環境がベストです。パイロット自身もライフジャケットを着用しなければなりません。湖の大きさ・湖上のボートなどの傷害物・風向や風速にも注意が必要で、時としては水上という有利さがマイナスに働く場合もあり得ます。高度は高ければ高いほど良いのですが、ヨーロッパの様な恵まれた環境は、残念ながら日本国内にはありません。

基礎知識・マヌーバーの三要素
エントリー その状況に入るための操作方法
ホールド その状況を維持させるための操作方法
リカバリー その状況から通常飛行に戻るための操作方法
以上3つのパートを十分理解してください。とても大切なことです。


事前に必要な知識

 まずこれから行うマヌーバーについての十分な知識が必要です。インストラクターの管理下で行うのであればその説明を受けます。練習が、どんな状況を想定した練習なのか。またエントリー−→ホールド→リカバリーの詳しい方法や、図・ビデオ等による事例をみて自分の中でイメージを作り出すことが重要です。さらに操作段階で起こる失敗例と成功例に関しても知っていなければなりません。
 インストラクターの側から言えば、目的や方法の説明、ビデオなどのあらゆる方法を用いて練習生の不安を和らげる努力が必要です。


何から練習するべきか

 どのような練習であれ、始めから難度の高いものは避けるべきです。しかしどんなマヌーバーにも危険が伴っていることを理解する必要があります。実際に練習に入る時は前後左右上下の空域の安全を確認し、ほかの航空機や高度に対しても十分以上のマージンを確保しなくてはいけません。また今回は水上以外でも気象・技術・環境などの条件が揃えば可能なマヌーバーに付いても説明をします。


潰れを伴わないマヌーバー

ピッチング

ピッチングとは前後の運動を行うフライトです。
目的:ローターやサーマル、或いはパイロットの操作ミスにより、機体がピッチングを起こすことを想定したシュミレーション
エントリー:ブレークコードを左右対象にリリース、ブレークを繰り返し機体の 前後運動に変えていく。
ホールド:パイロット自身の前後移動(ブランコをイメージ)を利用して周期的な安定した運動に変えていく。
リカバリー:キャノピーの頭下げ時に左右のブレークコード操作を行い、通常滑空に短時間で戻れるための操作を行う。 

ローリング

左右のブレーク操作を交互に行い、ロール方向への左右運動をする。
目的:ローターやサーマル、或いはパイロットの操作ミスにより、機体がローリングを起こすことを想定したシュミレーション。
エントリー:ブレークコードを左右交互にリリース・ブレークを繰り返し、左右のローリング運動に変えていく。 
ホールド:パイロット自身の先行体重移動により、より効率的に運動を維持加速することができる。また左右を短時間で切り返す方法もあるが、一般的には一度ローリングさせた状態で滑空・加速させ、次のローリング運動に切り返す方法が主流である。
リカバリー:左右のブレーク操作により、通常滑空に安定し短時間で戻れるための操作を行う。

注意事項

@エントリーは必ず小さい運動から徐々に大きく安定した運動に変える。
Aブレークは常に手に重さが伝わる位置まで戻すこと。フルリリース、またはバンザイの位置は、必ずブレークのテンションを感じる場所であることを忘れないでください。
B常に左右に伝わるブレークのテンションを確認し、覚えること。その経験をデータとして残し、後のフライトで役立てなければ、これらの練習の意味はない。
C常にリズムを大切に、そしてオーバーコントロールは常に危険を伴うことを理解する。


潰しを伴うマヌーバー

一般的にはコラップスと呼ばれるマヌーバーは対称・非対称に分かれる。高度処理などに広く使用されている翼端折り・ビッグイアー(Big-ear)は対称的な潰れである。ローターやサーマルなどの乱流により片翼だけが潰された様な状態が非対称な潰れである。

ビッグイアー

左右対称に翼端のラインを引き込むことで、沈下速度と対気速度を上げる。
目的:効果手段としての潰し。翼面荷重を増大させることによりローターなどに対して影響を受け難くする。
エントリー:左右Aライン外側を均等に引き込む。(専用のライザーやラインが装備されていれば、それらを使用する。)
ホールド:ラインを引き込んだ状態を維持する。引き込む量を変化させることで対気速度、沈下速度を変化させることができる。また、左右のラインを引き込む量を変えることで旋回が行える。体重移動の併用で、より効果的に方向を変えることにも役立つ。アクセレーターとの併用は効果を高める。
リカバリー:引き込んだラインから手を離し、必要に応じたリカバリー操作を行う。

注意事項


@左右のラインの引き込みは、左右均等に行う。
A手がラインに届き難くかったり遣り難いと感じたら、セッティングを含めシュミレーターを使い、十分にシュミレーションを行おう。
B翼端を潰すことにより、若干翼の迎角が上がることになるので、対気速度の変化に気を付ける。
Cラインを離しリカバリーするためのブレーク操作は、左右均等に行う。

非対称潰し

非対称潰しの練習は、大きく分けて4つのパートに分かれます。
1)練習中に潰す大きさを少しずつ増やす。具体的には1本から2本・3本というように。
2)潰れを放置することで発生する旋回を認識する。
3)潰れによる旋回を防ぐための操作。直線飛行をキープするためのカウンターコントロール(充て舵)の必要量を確認する。
4)潰れから回復させるための操作。翼を通常の状態に戻す。

非対称潰し
1本・2本・3本:左右どちらかのAラインを引き込み、翼端を故意に潰す操作。
目的:ローターやサーマル、或いはパイロットの操作ミスにより、翼が非対称に潰れた状況を想定したシュミレーション
ホールド:引き込んだラインをそのまま保持することで、潰れの状態を維持する。
リカバリー:潰れによる旋回が起こった場合、適量のカウンターコントロール(充て舵)を行い直線飛行を維持し、その後回復操作を行う。

注意事項

@潰す量は、常に小→大を守る。
Aラインを引き込む量や速さと潰れ方の関係を観察する。
B潰れにより発生するバンクと旋回の関係を観察する。


片翼ライザー潰し

片方のライザーを引き込み、片翼を故意に潰す。
目的:ローターやサーマル、或いはパイロットの操作ミスにより起こる40〜70%の非対称な潰れを想定したシュミレーション。
エントリー:左右のライザーの一方を引き込み片翼を潰す。
ホールド:ライザーをそのまま保持する方法もあるが、潰れのきっかけとしてインパルス(ショック)を翼に与えるのがこの方法の目的である。一般的にはすぐ離すこ と。
リカバリー:潰れと逆のブレークコード操作を行い、直線飛行の維持する。また旋回の状況下での回復操作を行う。
注意事項
@引く量と速度により、潰れる量は変化する。始めは小さくゆっくり、徐々に慣れること。
A50%を越える場合は、急激なバンクに注意する。
B60%を越える場合は、旋回を止めることが返って残る翼の失速を招く危険がある。
C旋回の状況下での回復操作についても練習をしよう。
D潰れた状況下の、対気速度の変化に注意する。


低速度での飛行

 パラグライダーは対気速度の変化をパイロット自身が常に感じとり飛行する必要があります。現実的には低速度での飛行を行うことが少なく、パイロットの認知の遅れが二次的な問題(失速・フルストール・急激な操作によるタッキングやフラットスピンなど)を引き起こすきっかけになってしまいます。
 ここでは低速飛行を故意に行い、その時の対気速度や左右のブレークコードの重さの変化を確認する。またブレークコードを急激に戻すことで起きる機体の変化を体験し、状況を予測する能力を開発する。

低速での飛行
左右のブレークコードを徐々に引き込みキャノピー・対気速度・ブレークコードの重さの変化を観察する。
目的:低速飛行時、またはフレアー時のキャノピーの挙動と体感する環境の変化を確認する。
ホールド:一般的な状況下では、低速飛行の失速速度は22km/h程度である。それより速度が下がると、コンスタントストール(翼形が変わらないままの失速)からフルストール(翼形が変化する失速)に移行する。機種によってはキャノピー自体が失速を避ける特性があり、小さなピッチングを起こす場合もある。(自己回復特性)
リカバリー:故意に小さなタッキングを起こすことで、対気速度を回復することができる。

注意事項


@操作はゆっくり
Aキャノピーの挙動に注意する。
B対気速度の変化、ブレークコードの重さの変化に神経を集中する。
C決してコンスタントストールやフルストールに入れない。
Dリリース時のタッキングに備える
Eリリース時、左右のバランスに注意する。



*重要*
ブレークコードの重さの変化


機種による違いもありますが、スロール直前のブレークコードの重さについて補足説明を加えます。一般的にブレークコードは引き込むことで、徐々にその重さを増し、ストールポイント付近では微妙な重さの変化、テンションが軽くなったり回復したりを繰り返す現象が起こります。これはキャノピーの自己回復性によるもので、キャノピーがタックに入ることで対気速度を回復しようとするためです。この練習では、ストールポイントを見極めることが重要です。その手懸かりがブレークコードの重さの変化なのです。

その他のマヌーバー

 今まで説明した以外にもたくさんのマヌーバーがあります。しかし今回はベーシックなマヌーバーに絞り込むため、それらは簡単にしましょう。またそれらを組み合わせることで、実にたくさんの種類のマヌーバーを作り出すことができます。

フロントタック

 両方のAライザーを引き込むことにより左右両翼を瞬時に潰す方法。
注意事項:回復時のバランス

フルストール

 左右ブレークコードを均等に引き込み、完全に失速させる方法。
注意事項:回復時のバランスと、極端なフロントタックに入る。

ネガティブスピン

 左右ブレークコードを均等に引き込み、失速を確認後片側のブレークコードをフルリリースする。
注意事項:回復時のきっかけとしてのキャノピーの動きの予測が付き難い。次のマヌーバーに入る可能性が高い。

フラットスピン

 旋回軸が翼の中にある旋回を言い、ネガティブスピンからフラットスピンに入る。
注意事項:ネガティブスピン同様。

Bラインストール

 現在D.H.V.に於いてもテスト項目になっている。Bライザーを左右均等に引き込むことで、高い沈下率を得ることができる。
注意事項:基本的には引き込んだライザーを戻せば回復しますが、この時に注意が必要です。引き込んだポイントから一気にライザーをリリースすれば、キャノピーは大きなタッキングを起こします。反対に恐る恐るゆっくり戻したのでは、そのままコンスタントストールに入る危険性があります。ですからその中間点を捜さなくてはいけません。具体的にはライザーに手を添えた状態で戻し、適当なポイントでキャノピーの回復する力にまかせると良いでしょう。ただし適当なポイントは、グライダーで違います。大切なことは、失われた対気速度を効率よく回復させることです。もちろん回復時の左右のバランスも大事です。

スパイラル

 360度旋回を続けることで、徐々に加速され旋回半径を小さくする。
注意事項:沈下が大きい場合、引き込んだブレークコードを戻すだけでは戻らない場合があり、逆側のコントロール操作が必要になる。またパイロットの高度感覚が失なわれる場合もあり特に注意が必要。スパイラル中の遠心力は2Gを越える。それにより血液の循環が悪くなり失神状態(ブラックアウト)になる可能性もある。


レスキューパラシュートの開傘

 マヌーバーの最終段階として、レスキューパラシュートの開傘を行う。
注意事項:風向・風速・高度に注意。高度が高過ぎると、流される距離も長くなる。事前にセッティングの確認をすること。解散後、キャノピーと絡まることを避けるためのシュミレーションを立てること。



マヌーバーのリスク

環境的リスク

 マヌーバーを行うこと自体は緊急事態のシュミレーションなのですが、それ自体が多くのリスクを含んでいることを認識しなければなりません。スパイラル等の15m/sを越える速度や遠心力などが水面に衝突する力は、いとも簡単にパイロットに怪我や意識を失わせることになります。着水後は覆い被さるキャノピーや、浮力の強いハーネスなども全てが凶器に成り得ます。私自身が以前に携わっていた水難救助隊では、呼吸停止後5分間が生死を分ける貴重な時間と言われています。必ずライフジャケットなどの安全装備や船舶などのレスキュー体制など、起こる可能性に対して必ずシュミレーションを立てることが重要です。

構造的リスク

 基本的にパラグライダーは加重テスト等の安全基準に適合していますが、マヌーバーにおいては大きなGがかかることが予想されます。また二次的(リカバリーに失敗した時等)な挙動で、設計値を越える加重がかかる場合があり得ることを認識するべきでしょう。当然のことながら、ラインの破断も考慮しなくてはなりません。もちろんキャノピー、カラビナ、ハーネス等の全ての装備に同様の危険性が潜んでいるのです。万が一の場合に備え、レスキューパラシュートの保守点検にも十分な注意が必要です。

技術的なリスク

 どんなパイロットであれ基本技術を学び、応用技術へと高めていくことになります。練習段階では常に小〜大へ、大きさに留まらず全ての単位を当てはめてください。1つ1つを正しく理解し、確認して次のステップに移ることを心掛けてください。ステップ・バイ・ステップ、こうでなければマヌーバーを練習する意味が薄れてしまいます。
マヌーバー練習の問題は、二次的な予測できない、或いは体験したことがないマヌーバーにパイロットが対処できないことで起こります。練習の目的であるマヌーバーに対しては準備も知識もあります。しかし突発的に起こる二次的なマヌーバーに対しては、コントロールできない状態になる確率は高くなります。もちろん訓練されたパイロットならば、最短の時間と操作で通常滑空に戻す技術を持っているのです。

情報収集

 現在、D.H.V.では各グライダーのフライト特性やテストデータなどをホーム ページ上で公開しています。個々のグライダーの失速特性やストローク量など有効な詳細データを得ることができます。自分のグライダーに対する正しい知識や付属のマニュアルでは得られない情報も手に入ります。マヌーバーをするしないに関わらず知っておくべきでしょう。


マヌーバーの目的

 マヌーバーとはシュミレーションとして操作を行い、特殊な飛行状態に入る寸前のキャノピーの挙動や対気速度の変化、最も重要なのは左右のブレークコードを通じて刻々と伝わるデータなどをパイロット自身が感じとるようになること。そしてそれによって起こったキャノピーの変化を正しく理解して対応する能力を身に着けることが本来の目的です。
 その上でリミットを越えた状況下でのキャノピー操作の練習の意味がでてくるのです。決してマヌーバーに入れることが目的なのではなく、どうしたら入ってしまうかを知ることが目的です。大切なのは漠然と経験を積み重ねるのでなく、意味のある練習を積み上げることです。通常のフライト中に起こる問題に対しては、唯一の搭乗員であるあなた自身が対応し解決しなければならないのですから。
 経験を積んだパイロットであれば、あらゆる情報を収集し正しく対処し、パラグライダーという柔軟翼の滑空機を潰さずに乗っているのです。特にパラグライダーは、乱流などの気象的な要因の中で[潰れる]という特殊な特性を持つています。それだけに乗りこなすためには特別な技術が要求されるのです。
 D.H.V.に代表される安定性(安全性ではない!)のテストは非常に厳しくなっています。新しく発表されるパラグライダーの安全度が近年著しく向上しているのは、そのためです。良くも悪くも一度も潰れを経験せずにフライトを楽しんでいるパイロットも多くいます。そのパイロットが管理の行き届いたホームエリアの中だけで飛び続けるのなら、大きな問題は起こらないでしょう。
 しかしどんなにパラグライダーの性能が向上しようとも、空中を飛行しているならば、ローターやサーマルと言った荒れた空気の流れに遭遇する可能性は捨て切れません。その時の準備として、シュミレーションの必要性がなくなることはありません。 
 最後にもう一度、確認しておきたいことがあります。マヌーバーはみよう見まねで行えることではありません。必ずインストラクターの指導下で、十分な安全が確保された環境で行われなければなりません。




トピックス
D.H.V.にみる安全性と安定性

 ドイツ国内では運輸省の下部組織であるD.H.V.(ドイツ・ハンググライディング連盟)では、明確にマヌーバーによるカテゴリー分けをしているのは皆さんもご存じの通りです。ここではD.H.V.を参考に審査の過程を説明します。メーカーから提出された新しいグライダーがD.H.V.に届くと幾つかの試験が実施されます。その中の一つに強度検査があります。この検査は車両などで加速させ、グライダーが規定値(最大重量×6G×係数)で破壊されないかをテストします。さらに急激な加速からの破壊をみるショックテストも合わせて実施されます。
 次のテストは現実に湖の上などでフライトを行い、規定に沿った再現性のあるフライトテストを行います。(注意:安定した大気のみを想定したテストででありことに注意)この結果はテストパイロットによりレポートにまとめあげられ、クラス分けが行われます。これらのテストに使用された機体はサンプルとしてD.H.V.内に保管され、何らかの問題が発生すればサンプル機と事故機が比較検討されるのです。メーカーにとっては厳しいシステムですが、誰にとっても公平なシステムと言えるでしょう。

クラス分け

 D.H.V.では1から3までを5段階(1.1-2.2.2-3.3)のレーティングに分けています。
クラス1:シンプルで非常に寛容な飛行特性を有するパラグライダー
クラス1-2:良い飛行特性を有するパラグライダー
クラス2:パイロットに技術を要求するパラグライダーであり、ローターや操作ミスに対して直接反応する。:経験のある日常的にフライトを行うパイロットに適している。
クラス2-3:パイロットに対して非常に技術を要求するパラグライダーであり、ローターや操作ミスに対して許される余地が少ない。:エキスパートパイロット用
クラス3:パイロットに対して非常に技術を要求するパラグライダーであり、ローターや操作ミスに対して許される余地がない。:エキスパートパイロット用