桐木サンレポート到着7/18 永野雅敏 サンレポート7/20

2002 ヨーロッパツアー報告

本年度参加者:左から:桐木さん・永野さん・菊池さん

本年度の参加者は、3名と小回りが利く人数、そして全員ヨーロッパフライト経験複数回のため、かなり行き当たりばったりで行う事が出来た。本年度の新しい試みは、チラタール周辺で多くフライトしたことだろう。

今年のヨーロッパツアーは、単一通貨ユーロが施行され、初めてのツアーです。参加者は、直前キャンセルが2名出て、中台以下3名。そして全員ヨーロッパフライト経験、複数回と、かなり自由、気ままなツアーを予想させるツアーです。
成田からKLMでアムステルダムに到着。3時間以上、乗り継ぎがあるため、私と菊池氏は空港カジノに目を奪われる。永野氏・桐木氏を置き去りにして市内に出る。25分電車に揺られる。電車自販機前で新通貨ユーロを持って、ウロウロすると親切な女性がなんと回数券を売ってくれた。しかも定価より安く。なんて親切な国なのだろう。中央駅を出てレッドライトと呼ばれる下町地区を歩く。運河をボートが車のごとく交通機関として機能する様は素晴らしい。町は運河だらけ、しかも地盤沈下のため、古い建物は直線な部分が無い!すごい。しかし、それ以上にカルチャーショックを受けたことは、この国では、”駄菓子屋で飴をうるように”ドラッグが売られていることである。因みに、この国ではソフトドラッグ(大麻、マッシュルーム等化学合成しないもの)は合法である。散歩を終え飛行場に戻る。双発機ドルニエでインスブルックまで1時間50分。夕闇迫る飛行場へ・・・。外に出ると暑い!とにかく暑い。25度以上は、有りそうだ。レンタカーを借りる頃プロ社社長ホフバウアー氏がお出迎え。早速、下町に繰り出す。彼の話によると、今晩は山で花火が上がり、お祭りがあるとのこと。大観衆の中盛り上がる。一様に盛り上がり、明日に備え宿に戻る。ここでトラブル発生。宿に着くと誰もいない。勝手知ったる定宿ドナホフ適当な鍵で適当な部屋に潜り込む。

6月23日 晴れ
次の日は快晴。温度も今までに無いほど暑い!案の定、昼間は30度近くまで上がる。
朝食を楽しむ。しかし、何年着ても何回食べても、決して飽きないこの朝食に脱帽。ゆっくりとノイシュに移動。取りあえずフライトを楽しむ。既にソアリング可能な状態だ。
ここでアクシデント発生。永野さんに貸した試乗機プロジェクトのスタビラインが23本切れていたのです。申し訳有りません。私の新品タイタンと交換。
初日から、いいんですか!と言うぐらいソアリングを楽しむ。途中発達する雲から、にわか雨が降るがたいしたことは無さそう。そろそろ、夕食の時間の為、撤収。そしてこれまた素晴らしい夕食を堪能。天気予報では明日は雨。ゆっくりと町に出る予定。

6月24日 雨のち曇り
予想通りの雨。朝食を楽しみ町に出る。旧市街には目もくれずピンポイントなお店へ行く。立体地図を見たり、スポーツ店へとハシゴする。早めに宿に戻り室内プールとサウナでくつろぐ。リゾートライフを堪能する。勿論ディナーフルコースも堪能です。

6月25日 雨のち晴れ
本日も朝から雨。しかし午後には止む予定。プロデザイン社に遊びに行き、会社見学。午後からはショッピングセンターに買い物へ。しかし、午後からはブラジルVSトルコ戦を見にホテルに帰らなければならない。ヨーロッパで見る日本、韓国ワールドカップは一体何なんだろう。トルコ戦を見るためトルコ料理をテイクアウトする!桐木さんはトルコ人のオーナにトルコナンバーワン!と言ったら丁寧に袋に入れてもらったそうである。しかし。結果ブラジルの勝利。しかし、天気は回復し既にフライトしているグライダーが見えると早くゲームが終わらないかと思う。ゲーム終了!直ちにエリア移動!フライトを終えディナーに突入で有る。

6月25日 晴れ
前日の夜打ち合わせで明日はチラタールでフライトする事を決めていた。理由はこのメンバーであれば、技術的に問題が無く、これまでのツアーでは、下見程度しか行かなかったからである。確かにマイヤーフォーヘンと呼ばれるエリアは、風光明媚で多くのトレッカーが世界中から集まる。ただしテイクオフは、多くあるものの、ランデイングが狭かったり、高圧線が多かったり、ツアー参加者の全員のレベルを考えると敢えて選ばないエリアであった。しかし、今回は迷わず決めた。エリアやランディングを確認し、テイクオフに上がる。以前ツアーメンバーで下見に来たり、個人的にも冬にテストで何回も飛んだ場所だ。とにかくロケーションが最高だ。広いテイクオフ、周りには3000m級の雪をまとう山々が連なる。そして、テイクオフ前には、せき止められたダム湖が見える。
車をリフト乗り場に置いて来たため、私が一番に飛びリフト横斜面に降ろす。その後、車をメインランディグに移動させる。離陸するとテイクオフ後、弱いリフトを掴む。方向を変えながらカメラで撮影し、しばしその素晴らしい景観を堪能。しかし、いつものように直ぐにランディングしなければならない。翼端折りからスパイラルで高度を落とすが下に行けば行くほどサーマルが強い。全てのサーマルを無視しランデイングする。それでも17分かかった。
車を移動させ、メインであるランデイングに急ぐ。とにかく広いランディングだ。たぶん400400mは有るだろう。地元のパイロットで遙か向こうのホテルの陰に降りたパイロットがいた。しかも、広い上レストランに隣接するためレストランから無線のアドバイスが可能。現地スクール、チラタール・スクールショップに立ち寄り、話を聞くと3年前からこのランデイングを使っているそうである。そしてショップもここに移して来たそうである。その後、全員がフライトを堪能した。

6月26日 晴れ
今日もチラタールです。しかも、13:00から韓国VSドイツである。充分ソアリングを楽しむ、永野さんは、山向こうに消え、クロカンを楽しみランデイングする。全員13:00に降りワールドカップを観戦後なんと夕方16:00前にスチューバイ・ノイシュシフトに戻りソアリングをすると言う強行軍である。高速道路を160km/hで爆走。リフト最終に間に合う。そして、ある意味、このフライトが私にとっては思いで深いフライトとなる。良いときのこのエリアの特徴である。強めのアゲインストを受け、全員これでもかと言うほどフライトした。少々リフトをはずしても直ぐにトップアウト出来る。私自身もトップアウトしエリア上方に位置するレストランを越え、針の様に険しい山にたどり着くと、何とも言えぬ至福感が心からわき上がる。正に魂のフライト、ソールフライトである。慌ただしい1日も終わると。ゆったりとしたディナーが待ってある。

6月27日雨
本日は天候が良くないため町に出た。その後、他のエリアを見がてらドライブに行く事に決定。インスブルックから西に位置するオッツタールに行くことにした。現地に着くとエリアは直ぐ見つける事はできた。谷がわりと狭く、それほど楽しそうなエリアではない。その後、この谷の終点まで行くか戻るか話し合いをしたが、夕食まで戻れば良いのだからと言うことで試練の道を選んだ。谷が狭くなり心細くなる。地図によると、2つの2500mを越える峠越えがある。そして1度イタリアに入り、その後、高速でオーストリアに戻る。
一つ目の峠にさしかかる。料金所があった。そこからはパノラマのごとく折り返すワインディングロードと景色を堪能する。素晴らしい眺めだ。雪が有ったり、3000m級の山々が直ぐ間近に見える。天気も回復する。そろそろイタリア国境だ。茶店を見つけ皆でお茶をする。自分たちの選択が正しかった事を確認した。その後の道は細くガードレールも無い。しかしバイクや観光バスまで走っている。誰かがまるで須坂の道の様だと言った。確かにそのくらい狭く崖が迫る。ただし崖は場所により1000m近く落ち込み、木が一本も無い所を除けば・・・。その後アベレージ60km/h以上で進み、夕食190:00。滑り込みセーフ。楽しいドライブだった。明日はツアー最終日だ。

6月28日 晴れ
朝から晴天に恵まれる。今日の予定はシュリック2000を飛び、その後5km先のノイシュに渡りフライトする。シュリックは高低差1200m程度のエリアである。テイクオフ前には、時折目の前から雲が湧き出す。ソアリングを十分楽しみ、その後、午後にクロカン気分。ノイシュに移動十分な高度でエリアに到達。ソアリングをまたも十分に楽しみランデイング。食事をとり、休んだ後、今ツアー最後のフライトに望む。永野さんは昨年度同様この日スチューバイをノイシュから北方向に一周した。

最後に:
人数や参加者レベルもあり軽いフットワークで移動出来た。そして、2日間以外はフライト出来た事は幸運であった。勿論フライト出来ない日でさえ、充実出来た。是非来年は皆さんの参加をお待ちしています。
マイヤーフォーヘン周辺には数多くのテイクオフが存在する。しかも風光明媚で多くの登山客に人気が有るこの場所でフライト出来た事はなによりの収穫で有る。